アンモライトはアンモナイトが化石化し、その表面にアラゴナイトが結晶化してイリデッセンス効果を発する化石宝石です。
一般的なアンモナイトの化石は世界各地で採取されていますが、宝石としての価値が認められる虹色に輝く良質のものは、殻の成分や地圧など特殊な条件が揃ったカナダアルバータ州の7000万年前の地層からのみ採掘され、これがアンモライトと呼ばれる化石宝石です。
主として霰石(真珠を形成するものと同じ)からな成り、琥珀や真珠などと同じ生物起源の宝石の一つです。
1981年に世界宝石連盟はこのアンモライトを公式に宝石として認定しました。そして2004年にはアルバータ州の州の宝石に定められました。
アンモライトは非常に圧力がかかった状態で化石化する為、ゴツゴツした形状が特長です。
アンモライトには多くの色が見られ、自然界全てのスペクトル色にわたっています。
赤色と緑色はアンモライトの基調色であり、美しいコントラストがよく映えます、そして青色と紫色はさらに貴重な色と言えます。深紅色や菫色、金色のような色彩も原色の配合によってある程度見られますが、非常に貴重で高い需要を有しています。
彩度と虹色効果は基本的に真珠光沢を発する殻がどれだけ良く保存されたかと、どれだけアラレ石の層が滑らかで規則的であるかに依存しています。 研磨の程度も一つの要素です。
最も高価なアンモライトはシートマテリアル型で、蛋白石の「ブロードフラッシュ」に類似した、幅広く曇りない色の広がりを持ちます。
アンモライトは最も貴重な有機宝石物質と考えられています、軟らかく、壊れやすく、限られた専門家のみが持つ特殊な処理技術を要します。
大まかに、アンモライト1カラットにつき30-65米国ドルで売買されています。
他の宝石に比べると、アンモライトの使用は歴史が浅く、1969年に市場参入して以降、1970年代になるまで西洋では注目を集めておりませんでした。
ブラックフット族はアンモライトをイニスキム(iniskim; 「バッファローの石」)として知っていて、長い間護符としての魔力を持つと信じていました。
特にバッファロー狩りを助け、追跡できる距離にいるバッファローを引き寄せると信じられていました。
また、アンモライトには治癒力があると信じられ、儀式のときに使う medicine bundle に組み込まれていました。
1990年代の後半、風水がアンモライトを力のある石として取り上げ始めました。
エネルギーすなわち「気」の流れを高め、幸福と解毒作用を強めるとされていました。
"Seven Color Prosperity Stone" と命名され、風水実践者は、それぞれの色が身に着けた人にそれぞれ良い効果をもたらすと信じられました。
最ももてはやされたのは、ルビー赤、エメラルド緑、琥珀黄のコンビネーションで、これらの色がそれぞれ成長、知性、財産を高めると言われました。
程よく小さなサイズのよく磨かれたアンモライトは、宝飾品として珍重されています。
アンモライトはデリケートな石なので、ジュエリーとしてペンダント、イヤリング、およびブローチとして用いるのに適します。